ガイドライン守れてる?歯科医院の陥りがちな間違い
歯科医院の陥りがちな間違いは、『歯周病の診断と治療のガイドライン』の流れに従っていないことです。
当院(しん治歯科医院)も含めてデンタルフィットネスを導入しているクリニックでは、このような問題は発生していません。
デンタルフィットネスは、保険診療をベースとした予防歯科の仕組みです。
この仕組みの導入を検討されている医院からは「予防歯科の患者さんが増えない」「歯科衛生士が定着しない&採用に困っている」という相談を受けます。
同じ保険診療で行う予防歯科に違いが生じる原因を調査した結果、「予防歯科がうまくいかない理由」は、そのまま「歯科衛生士の離職率UP」「採用効率DOWN」に繋がっていることも分かりました。
この記事では、患者さんが増えない・歯科衛生士が定着しない原因となっている、6割の歯科医院が陥りがちな間違いについて解説します。
デンタルフィットネスとは
デンタルフィットネスは、一般的な保険診療の範囲で行う予防歯科の仕組みであり、患者さん・歯科衛生士の「満足」を重視します。
また、この仕組みは、予防歯科によるストック型のビジネスであると捉えることもできます。
むし歯治療などの1回限りの患者さんを増やすのではなく、健康のために通い続けてくれる患者さん (既存顧客) を増やすことで、持続的で安定的な経営を実現できます。
つまり、10人の新患を獲得するのではなく、1人の患者さんに10回リピートしてもらうというスタイルであり、このリピーター獲得のために重視すべき点が患者さんと歯科衛生士の満足なのです。
デンタルフィットネスが注目される理由は、次の6つポイントです。
- 顧客生涯価値 (LTV) が高い
- 再現性が高い
- 離職率が下がる
- マーケットが大きい
- ストック型ビジネスである
- 利益率が高い
しん治歯科医院のリピート率は95%が平均的ですが、例えば、リピート率が95%の場合と80%の場合を比べると、来院する患者さん (アクティブクライアント) は4倍も変化します。
患者さんの健康と従業員のやりがいにより、歯科医院に関わる全ての人が本当の満足を得られるようにするのが、デンタルフィットネスの目標です。
保険に則った「歯周治療の流れ」ができていない
多くの医院において、歯周治療の流れが定まっていません。患者さんからするといつまでたっても良くなったと感じられないため、当然「満足」が得られません。
日本歯科医師会による歯周病治療の基本的な流れは、大まかに、歯周治療への患者の導入、適切な診査・診断と治療計画の立案、歯周基本治療、再評価と治療計画の修正、SPT・メインテナンスとなっています。
この流れは、歯周病治療の基本は原因の除去であるという考えに基づいており、患者さんの希望等も考慮し、適切な治療計画を立て、それを患者さんに説明し同意を得ながら進めていくことが大切であるとしています。
しかし、この歯周治療の流れができているかというアンケートを実施すると、ガイドライン通りに「できている」と自信を持って回答した方は、たったの2~3割でした。
また、いくつかのアンケート結果から、全体的に歯科医師よりも歯科衛生士の方が、保険診療のガイドラインを正しく理解して実施できている傾向があるということがわかりました。
また、歯科衛生士の7割が今の職場に不満を抱えており、その理由の1つが「ガイドラインどおりの予防歯科を行っていない」ことであるとわかりました。
予防 (メインテナンス) がうまくいかないからといって、予防のメニューを工夫する歯科医院は多いです。しかし、実は基本の流れを守れていないため、患者さん・歯科衛生士の「満足」が得られていないのです。
歯科医院の陥りがちな間違いから抜け出す
歯科医院の陥りがちな間違いから抜け出すことで、患者さんと歯科衛生士の「満足」が得られ、予防歯科によるストック型のビジネスに向けた第一歩が踏み出せます。
患者さんの「満足」のためには、患者さんに「良くなった」と実感してもらう必要があります。
そのためには、患者さんにBefore Afterで変化を感じてもらうことが大切であり、歯周組織検査をきちんと行い、データを持って患者さんに伝えていくことが重要です。
多少面倒でも、スケーリングの前後、SRPの前後でキッチリと歯周組織検査を行い、記録を取っていく必要があります。
つまり、ガイドライン通りに行うことが大切、というわけです。
歯周治療~予防までを全てガイドライン通りに行い、メインテナンスも無理なく行える60分で実施していくと、予防をはじめる患者さんが増え、歯科衛生士の採用や離職問題が直ちに解決します。
歯科衛生士は、自分の医院が正しい行為を行っているかどうかということに気付いており、正しい歯科医院で働きたいと願っているのです。
まとめ
デンタルフィットネスは、一般的な保険診療の範囲で行う予防歯科の仕組みです。
今回ご紹介したような基本を忘れず、ちょっとした工夫を取り入れることで、リピート率が95%を超える満足度の高い歯科医院をつくることができます。
デンタルフィットネスについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。